先生の「特別」にしてくださいっ!
俺はもう、自力で帰る気が失せていて、
兄貴の仕事が終わるまで待って、
車で送ってもらおうかなーなんて、
考えていたから、

「勇、たしか、車だっただろ?
送ってくれねえ?」

と思わず頼んでしまった。

「え?まあ、いいけど。
でも、俺、この後、予定あっから、
駅まででもいい?」

と申し訳なさそうに言われる。

正直、帰るきっかけと、
少しでも、
歩行距離を減らしたかっただけなので、

「全然、いい。さんきゅー」

と言って、
ありがたく送ってもらうことにした。

持つべきものは、良い同期だな。
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