先生の「特別」にしてくださいっ!
私の退院は水曜日と決まり、
彩音はその次の日に決まった。


「私の方が一足お先に戻らせて頂くアルね。」

「先輩を差し置いて
自分が先に出ていくとはいい度胸だ。」

「一日しか変わらないだろ!」

「まあまあ二人とも、
試験前に退院できるから、いいでしょ?
ほらこれ、私のノートのコピー。」

「「ありがとうございます。
雪乃様、まじ天使!!!」」


火曜日、雪乃がお見舞いに来てくれる。


「でも、
凛のことは
学校でちょっとした事件になってるよ?」

「みたいだね。」

私を襲った川岸正平君は、
この辺の人なら名前くらい聞いたことある
有名私立中学の生徒であるため、
週刊誌沙汰にもなっているみたいだ。

私と彩音も暇潰しに、
売店の雑誌を立ち読みした。

斜め読みした限りだと、
有名私立中学に通う加害者S君は
家庭環境に問題があり、
親の過度なプレッシャーに耐えきれず、
徐々にグレていってしまったらしい。

…私がいうのもおかしいけど、
少し、可哀想になってしまった。
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