先生の「特別」にしてくださいっ!
キーンコーンカーンコーン

私の予想通り、
先生は私のことには一切触れなかった。

…まあ、当たり前っちゃ当たり前だった。
何があったかも先生は全部知ってるし、
私が退院したことも、
どうせ剛先生から聞いているだろう。

なに食わぬ顔して、
いつも通り、出席を取っていた。

なので私は安心して、授業中に爆睡した。


あー…よく寝た。
チャイムで起きるのとか久々過ぎる。

授業終わったけど、
誰かに話しかけられるの面倒だから、
このまま寝たふりしとこ…


トントン…


誰かに肩を叩かれる。

私、寝てるんだけど…見てわからない?
…面倒だから、寝てて気づかないふりをする。


トントン…


だからあ…寝てるんだって。誰だよ?
私にそこまで用がある人なんて…

雪乃だったら一回で諦めるか、
もう声をかけている。

彩音はまだ病院である。


他に、私にそこまでして話しかける人なんて…




「滝野?」



…え?



この声は…
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