My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「苦しいのだ…アレン――行くな」
ツ・・・と一筋の涙が彼女の頬を伝う
細い顎先で、雨露の様に光って俺の手の甲に落ちた
じんわりと広がる温かさが
俺の心を満たしていく
カタンと心の中で、何かが傾く
その瞬間、彼女を強く抱きしめた
細い彼女の体を、強く
もう戻れない。と心の中で思いながら
「どんな事があっても」
「――」
「俺はレイアの側にいる」
脳裏に浮かぶ、風の国
美しく輝く、海
眩しい程の、民の笑顔
それらを閉じ込める様に
ぐっと彼女を一度抱きしめた