LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 当然のように、下着を下ろし、便座に座る。何気なくその下着を見た瞬間、深空は目を疑った。

(な、に…?)

 下着についた、真っ赤な血のシミ…。さらに自分のお尻から、便器に何かが滴り落ちる音が耳に入って来たのだ。驚き、思わず立ち上がって、便器を覗く…

「うわぁぁぁ!!」

 深空の悲鳴に、何事かと思いながら、逸子が駆け付ける。すると、股が血まみれになった深空の姿を見て、目を見開いていた。

「お、お母さん、何、これ…?!」

 混乱した深空は、どうしたらよいのか解らず、立ち尽くしていた。

 固唾を飲み込み、冷静を取り戻した逸子は、深空を宥めるように彼女の目をじっと見つめて口を開く。

「深空、落ち着いて聞きなさい」

 真剣な逸子の目に圧倒されながら、深空は小さくうなずく。

「それは、たぶん―」

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