LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 逸子の言葉を聞いた深空は、言葉を失ったままだった。

 シャワーで血を流し、着替えた深空は自分の部屋で横になっていた。

「……」

 天井をぼんやりと見つめていると、雄二の顔が浮かび、すぐに消える…

『たぶんね、ストレスが原因だと思うわ…』

 こどもの相手をするように、深空の血を流してくれた逸子の見解が頭によぎる。

「あ…」

 思い出したように、小さな声をあげる。

「明日、どうしよ……」

 深空の中で、何かがプツンと切れてしまった。力が入らず、腑抜けた彼女は、そのまま泥のように眠りはじめたのだった。

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