LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
(会いたいなんて言われても、有り得ないよー…)

 深空は気怠くため息をつき、伸夫のメールを何のためらいもなく削除して、携帯をパタンと閉じた。

(こっちには、これから"ゲーム"が待ってるんだから…)

 ちょうどその時、さっき注文したサラダを持ってウェイトレスがテーブルにやってきた。深空はそれを何もなかったかのように受け取り、食べはじめる。それから何杯かコーヒーを飲み、何とか時間を潰していた。

(もうすぐ、10時…)

 両手を挙げて、思いっ切り伸びをする。ついでに欠伸も出てしまい、彼女の目尻からは一粒の涙が流れ落ちた。

(そろそろ駅に戻ろうかな…)

 涙を拭い、すっくと席を立つ。そして口角を上げ、目を三日月のように細くする。これから過ごす時間を思うと、そうせずにはいられないといったところだろうか。ついに深空は会計を済ませて店を後にした。

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