LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

　昼の１２時少し前。

　いつものようにバイト先のドアをくぐり、店の中に入ると、そこは既に戦場と化していた。

　駅から程近く、大通りに面しているこのファミレスは、客の出入りがとても激しい。土日、平日関係なく、ランチタイムは常に時間との勝負を強いられる。手際のよさを買われている深空や夏美は、重宝されていた。

　長い髪をきゅっと結い、いつものワンピースに白いエプロンを着けて、気合いを入れた深空が臨戦態勢に入る。

　予め決められているポジションをシフト表を見て確認すると、彼女は鉄砲の
弾の如く、ホールに飛び出していった。