LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
(…疲れたな)

 吉井の指示で休憩に入った深空は、思わずため息を漏らしていた。

 さらにその疲れからか、あまり食欲が湧かず、アイスミルクティを氷の音をさせながら、飲んでいた。

「深空ちゃん、食べないの?」

 出来立てのパスタの皿を片手に、夏美は深空の隣に座る。その匂いが深空の鼻を掠めると、彼女は顔をしかめた。

「やだ、つわり?」

 夏美が冗談混じりに言いながら、そのパスタをフォークに絡ませ、口に運ぶ。

(えっ… あ…)

 夏美の冗談を真に受け、深空は携帯のカレンダー機能を開き、先月からの生理の周期を数えだしたのだ。

「ちょっと、ちょっと…」

 深空の行動に、夏美は苦笑いを浮かべた。

「前の生理から42日… 微妙…」

 彼女はパタリと携帯を閉じ、考え込んでいた。

「前の生理の2、3日後にエッチしてたら、可能性あるかもねー… あ、でも」

 夏美はニヤっと笑い、「深空ちゃんは、もうデキちゃってもいいんだもんね♪」と、からかうように続けた。

「ちょっとー」

 そんな夏美に、苦笑いを浮かべた深空は、彼女の脇腹をつつく。でも、その苦笑の奥には、幸せを醸し出していた。

「…こども、出来てればいいなーって思ってるでしょ?」

「えっ?」

 夏美の指摘に、深空はびっくりして目を丸くした。

「だって、そんな顔してるもの」

 夏美は笑いながら、パスタを頬張った。

「…生理の予定日から一週間経ってたら、検査薬使えるんじゃなかったっけ? やってみたら?」

 夏美は口をモグモグさせながら助言する。深空は、黙ってうなずいた。

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