LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「行ってくる」

 静かな口調で雄二がそう言うと、深空はうなずいた。

「気をつけて…」

 神妙な面持ちの雄二の横顔を見た深空は、そう言って彼の手をそっと握った。

 時間は、朝の6時半。

 いつもなら、確実に眠っている時間だ。吐く息は白く、今朝も、一段と冷え込んでいることがうかがえた。

 彼が行った後、深空は大きな窓の傍に立ち、すぐ下を歩いている彼の姿を捕らえていた。朝もやで霞む凛とした空の下を、その冷たい風を受けながら雄二は歩く。小さくなる彼の背中は、とても切なく、寂しそうであった。

 深空は、今日一日オフだった。

 何の予定もない金曜日。これから始まる一日を、落ち着いて過ごせるわけがない。

 彼女は、ただ小さくなって座り、雄二からの連絡を待つのみであった。

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