計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー

画面に大きく

色っぽい愛奏の

男子だったら悦びそうな…。


俺の彼女は泣いて、

その顔も可愛くて

自分で驚くほどべた惚れだったんだ。


「若草っ、

どうせそれもぶりっ子して…、

佐川くんと別れないとあなた、

学校来れなくなっちゃうよ。

ずっとイジメ無視してきたみたいだけど」


「可愛いからって…ムカつくんだから」


「…別れたくないの…。私…」


ほっとして抱きしめる力を強めて、

睨み返してみたはいいものの、


「じゃあ、回すね」


その一言で彼女はこの時から

本格的にいじめられてしまった。


だけど、次の日のこと。


愛奏は朝から学校に行きたくないと

駄々をこねていて、

日課だった朝の迎えを拒否される。
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