ガラスの林檎(磨けば光る・・ガラスのような君へ)
いつもより早く目が覚めた
寝る前に窓を少し開けておいたのが失敗だった

〔冷めーな、携帯の目覚ましより早く起きちゃったじゃねーかよ〕
まっ今日は特別な日…そう、かなの誕生日なのだ

今日の待ち合わせは台場にしていた
時間は19時に集合

(待ったーー?)

振り返ればかなが走ってきた
やはり誕生日のせいか、いつもより服装がお洒落だった

じゃあまずは海浜公園歩こうか?
二人はゆっくりと歩き出した…手を繫ぎながら

浜辺にはたくさんのカップルが座って楽しそうに話をしている
僕達も少し座って話をした後、デックスに行って夕飯を食べた

いつもでは絶対に行かない店に行って、たくさんのネオンを見ながらご飯を食べた
時間にして2時間程だったが、凄くゆっくりと時間が流れた気がした

駐車場の車を出してまずは首都高を流した

特に場所も決めたわけではない、話をしながら行き先未定のドライブへ
もうすぐで新宿の看板が見えた
でも僕達は話に夢中で降りる気はなかった
走ること20分、場所は練馬区付近だった

そこら辺でインターを降りて横付けした

〔そうだ、誕生日プレゼントあげないと〕
じゃあ車の中じゃなくて、公園とかに行かない?

車は再び走り出し、井の頭公園に到着した

ガチャ、僕はかなのドアを開けた

(あはは、今日だけはお姫様扱いってやつ?!)

バレタ?まあ今日は!笑い声が人気のない公園にこだまする

ベンチに座り、指にそっと指輪をはめた
かなはビックリしながらも、何もしゃべらずブランコに乗って空を見ていた
< 16 / 36 >

この作品をシェア

pagetop