ガラスの林檎(磨けば光る・・ガラスのような君へ)
「もしもし、誰?」
知らない番号には出る時はいつもお決まりの言葉だ。


「加奈子です、もしかしてもう寝てた?」
「いや、まだだけどもう寝るところだったよ」
「あっごめん、別に用事はないんだけどかけてみただけ」

正直俺はビックリした、だってまさか今日かかって来るとも思わなかったから。
聞いたところに寄ると、向こうはコンビニの帰りでかけてきたらしい…。

どのくらい話をしただろうか…。
時間にすれば20分といったところか。
もっと長く話しをしてる感じはした。

「そろそろ家着くし、もう夜遅いから切るね」
「うん、そうだね!また気が向いたらかけてきてよ、夜暇人だし」

ガチャっと鍵を開ける音が聞こえた。ちょうど家に入ったところだった。


「じゃあまた………明日かけるね!おやすみ」
んっ?俺は驚いた。また明日?
「OK!じゃあまた明日!ゆっくりおやすみ」

明日は俺の誕生日、仲間はもちろん忘れている(笑)
でも今回は家族でケーキを食おうと決めていた。


そして俺は眠りについた。
明日への扉を開けたその先の光景を、夢の中で見ていた…。


この時、まさか祝ってくれる相手がいるとはまだ知らなかった…。

< 3 / 36 >

この作品をシェア

pagetop