婚約者から逃げ切るだけの簡単なお仕事です。
(やーいやーい!悪い奴には罰が当たるんだよぉーだ!!)
笑顔で私を窒息させようとした罪、きっちりと思い知るがいい!
……なんて心の中で大喜びしていると、退避していたらしい菅原様がこちらへとやってきた。
「無事だったか。……すまないな、俺が助けられたら一番手っ取り早かったんだろうが」
「菅原様!いいえ、仕方ないことですわ」
私は首を振ると、真凛ちゃんと真奈様に連絡を取ってくれたことにお礼を言った。
っていうかお互い、今日は俺様王子に迷惑かけられっぱなしだよね。
菅原様にいたっては言いがかりに近いものばかりだし。
今度密かに『エセ王子様被害者の会』とか作ってみようかなーなんてぼんやり考えていると、
緊張気味の真凛ちゃんに声をかけられた。
一体なんだろうと首を傾げれば、切羽詰まった表情で彼女は一言。
「その、あの……っ。
もし良ければ、私と友達になってもらえませんか!?」
……もちろんですともッ!!