青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
ものすごく面倒だけど、仕方ない。
あたしは生物のテストの結果がいつもあまりよろしくないし、課題点まで下げられたらヤバいのだ。
「失礼しました〜…」
職員室を出てから、盛大に肩を落とす。
ああ、面倒くさい。
廊下を歩きながら、窓の外を見る。
曇り空で、今日はそんなに暑くはない、けど。
教室へ戻ると、利乃がちまちまお弁当を食べながら、携帯を見ていた。
「利乃〜」
「あ、おかえり〜」
携帯から顔を上げて、利乃がニッコリ笑う。
対称的に、あたしは大きくため息をついた。
「課題受け取ってもらう代わりに、花壇の草むしりすることになった…だから今日は、先帰ってていいよ」
「あらら…そっかぁ、ファイトだね」
「うん…」
ゆっくりお弁当を食べる、可愛らしい利乃を眺める。
目が合うと、不思議そうに首を傾げられた。
その様子もまた可愛くて、思わず頭を撫でる。