青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


…夏祭り、か。

みんなが再び歩き出す中、あたしはちょっとだけ立ち止まって、ポスターを見ていた。

花火が描かれたそれに、祭りの光景を思い浮かべる。


『俺も、行くよ』

…慎也と一緒に、行けるんだ。

そう思ったら、一気にワクワクしてきた。

同時に、ドキドキもする。

…うん、楽しみだ。


月曜日は、一学期の終業式。

あたしはふふっと笑って、歩き始めた。






月曜日。

終業式が終わり、私と麗奈ちゃん、慎ちゃんとトモくんで帰ろうと思っていたら。

用事を済ませて、待ち合わせ場所の昇降口に行くと、そこにいたのはふたりだけだった。


「あれー、トモくんはー?」


ふたりのもとへ歩きながら、尋ねる。

慎ちゃんは困った顔をして、「なんか、用事があるって」と言った。


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