青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


外は晴れていて、どこまでも青く、白い雲がゆったりと流れている。

トモがこっちを向いて、笑った。


「…『落ち着く』よな?」


……あ。

トモと、初めて話した時のことを思い出した。

…まさか、あの時から…?

驚くあたしの手から、トモはゴミ袋をひょいっととる。

いつの間にか目の前にあったゴミ捨て場に、自分が持っていたものと一緒に置いた。

そして、こっちへ振り返って。


「……麗奈ちゃんが、好きです」


…そう、照れ臭そうに、トモは笑った。


空が、青く広がっている。

雨は上がって、太陽がジリジリと肌を焼く。

けどまた心の中で、雨が降り始めた。


…あたしは、トモの『大切な人』なんだ。

じゃあ、あたしは?


あたしの、『大切な人』は?



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