青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


「はっ、恥ずかしいこと言わないでよ馬鹿!」

「ええ!?俺は素直な気持ちを言っただけなんだけど!」

全部が好きとか、そんなのアリ!?

こんなあたしなのに?

意味わかんない!

「これのどこがいいの?大して可愛くもないのに!」

「可愛いし!強いていうなら、喋り方とか性格が好きです!!」

そんなの初めて言われたんですけど!?

トモの言ってることがさっぱり理解できなくて、眉を寄せる。

何故かツンとそっぽを向いて、拗ねた表情をするトモ。

いや、なんでだよ。


「う…嬉しいけど。イマイチ、わかんないっていうか…」

「.....『急かされるのに、疲れたなぁって思ったら』」


トモの口から出た言葉に、驚く。

…あれ。

その、言葉………


「『たまに、空を眺める』」


前に、あたしが言ったやつ、だ。

目を見開くあたしの横で、トモは窓の外を見た。


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