神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


「よかった、無事で……邪悪な気を感じたから、焦ったよ」


優しく背中をさすられると、だんだんと落ち着いてくる。


「ありがとう、風牙くん……」


顔を上げると、風牙くんは困ったような顔をしていた。


「ところで美心、この子は……見てしまった、のか?」


たずねられて、風牙くんの視線を追う。


するとそこには、ぽかんとした槙原くんの姿が……。


「はうっ!」


そうだった!ばっちり見られたんだった……。


「答えてほしい。
あんたは、鬼の姿を見たのか?」


風牙くんはあたしの答えを待たず、槙原くんに質問する。


「鬼?いいえ……僕が見たのは、彼女が豹変したところです」


槙原くんは気を失った奈々ちゃんを見て言う。


「あとは……そこに何かがいたんだってことは神崎さんの視線でわかりましたけど、姿は見えませんでした」


「そうか」


風牙くんは落ち着いた声で言うと、奈々ちゃんの体を抱き上げる。


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