神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


他人の気持ちなんか、わかるはずない。


現に今、あたしは四郎くんが何を考えているのか、全然わからない。


だけど確実にあたしの気持ちは軽くなっていた。


『大丈夫』なんて、無責任な言葉ひとつで。


ああ、そうか。


これが四郎くんの力なんだ。


あたしは初めて、彼がキリシタン3万7千人の総大将になれた意味を、知った気がした。


そして……。


彼がその中で、神の御使いと崇め奉られて、決して満足していなかったことも。


きっと、彼は産まれてから今まで、あたしと同じか……それ以上に、傷ついてきたことも。


ようやく、知った気がした。


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