神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


ねえ、四郎くん。


お盆にはお兄ちゃんが帰ってくるよ。


そのときは、どこに寝泊まりするの?


いつまで……ここにいてくれる?


「どうした?浮かない顔をして」


「う……ううん、また食べ過ぎると太っちゃうなって」


下手な言い訳をすると、四郎くんは呆れたような顔をした。


「お前は我の話をすぐ忘れるようだな」


「はいはい、女の子はちょっとぽちゃっとしてるほうがいいんだよね。

いつ飢饉が来るかわからないし」


「覚えておるではないか」


四郎くんは笑わず、じっとあたしを見つめる。


「……それでなくても、最近痩せてしまったというのに」


え?そう?


そういえば、四郎くんの力をわけてもらってから、お腹の空いた霊にとりつかれることもなくなって、食べる量が減ったかも。


一緒にぼちぼち買い食いはしてたけど……。


「なんでそう自分を卑下するのか、我にはわからん」


行くぞ、と四郎くんはあたしの手を強引に引く。


だって……あたし、みんなみたいに可愛くないでしょう?


四郎くんはそうじゃないって、思ってくれるの……?



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