イジワルなキミの隣で


「もう終わったから早く着替えて来い」



え?


もうそんな時間?



時計を見ると閉店時間を過ぎていたのでビックリした。



「す、すみません。すぐ着替えます」



私、どれだけボーッとしてたんだろ。


正直、バイトどころじゃなかった気がする。


ダメだ、私。


全然ダメじゃん。



なんかもう


ダメダメじゃん。



急いで着替えて外に出た。


佐伯先輩は私と一緒になると、毎回駅まで送ってくれる。



今日もまたいつものように駅までの道を歩いていた。



「お前が屋上に来なくなったから、みんな寂しがってんぞ」



「…………」



もう行けない。


……光流先輩には会えない。



「なんだかんだでお前結構人気あったし。いい加減他に目を向けてみれば?」



「…………」


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