イジワルなキミの隣で


「俺、そういう奴が世の中で一番嫌い」



「…………」



「お前より大変な奴なんて世の中に嫌ってほどいんだよ」



「……だったら‼︎」



閑散としている住宅街に、私の声が響き渡った。



だけど抑えることが出来ない。



「どうすれば良かったんですか⁉︎私は……佐伯先輩みたいに強くないんです……っ」



わかってる。


わかってる。


佐伯先輩の言う通りだ。



だけど悔しくて涙が出た。



「先輩みたいに……っみんながみんな強くなれるわけじゃない……ひっく……っ。他に目を向けれるんならっ……私だってそう、したい……っ」



でも、ムリなんだもん。


光流先輩のことが好きなんだもん。



「もう……っ、私だって……どうしたらいいのか……」



その後はもうグダグダで。


涙が溢れて止まらなかった。


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