イジワルなキミの隣で


月明かりに照らされた先輩の横顔は、意地悪だけどちょっとだけ優しくて。


見ていてなんだかホッとする。



最初は大嫌いだったのに、今はそうでもないと思えるからすごい進歩だ。



「バイトはそのっ……今度からはちゃんとします」



今日ダメダメだった分、倍以上働いて返そう。



先輩に言われて目が覚めた。



「お、やけに素直じゃん。よしよし」



なんて言いながら、その大きな手で頭を撫でられた。



意地悪な笑みを浮かべる佐伯先輩の顔が真近に見えて、わからないけど鼓動が小さく跳ねた。


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