イジワルなキミの隣で
心の穴


光流先輩を思い出さないように、夏休みは玲奈や央太と遊んだり、バイトに明け暮れた。



「服部、今日バイトの後空いてる?」



「え?」



休憩中、黙々とご飯を食べていた私に瀬名君が言った。



瀬名君は今やホールよりもキッチンにいることの方が多い。



夏休みに入ってから、瀬名君の髪はさらに明るくなった。



ピアスの数も増えて、耳がちぎれるんじゃないかってくらい痛そう。



だけどすっかり瀬名君とも仲良し。



「別に予定はないけど。どうしたの?」



「ん?ああ、いや……ヒマならその、どっかでお、お茶でも」



顔を真っ赤にしている瀬名君を見て思わず笑ってしまった。



「いいよ。私ここのハチミツティー好きだからここで飲んで帰ろうよ」


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