イジワルなキミの隣で


腕を組んで歩く気になれなくて、ムスッとしたまま黙って歩いた。



「智沙」



「なに?」



「やっぱどっか寄ってこうぜ」



「やだ。今日は帰る」



可愛くないよね、今のあたし。


ワガママで子どもで


きっと光流を困らせてる。



「そっか。ごめんな」



「…………」



謝られる度に


光流があたしに気を使ってくれてるんだってわかって


辛い。



“ごめん”


それはあたしの一番嫌いな言葉。


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