イジワルなキミの隣で


「ははっ……サンキュ。けど、大丈夫だから」



初めて……先輩が笑ってくれた。



曖昧でぎこちなくて


傷付いてるようにしか見えなくて。


こんな笑顔を見たいわけじゃない。


先輩には心から笑ってて欲しいから。



「大丈夫なようには見えませんよ?先輩はもう少し人を頼ってもいいと思います」



「だからって服部に頼れるかよ。お前に頼るくらいなら、他当たるって」



うっ……。


そりゃそうだ。


私と光流先輩は


友達でもなんでもない。


ただの先輩、後輩なんだから。


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