イジワルなキミの隣で
理由


いつもと同じ朝。


また今日も1日が始まる。



そう。


いつもと同じように。



玲奈と央太に笑顔で挨拶をして


一向に頭に入って来ない授業をぼんやり受けて。



今日も同じように1日が終わるんだろうなって思った。



だけど



最近明らかに違っていることがある。



「来ないね、佐伯先輩」



玲奈はお弁当を頬張りながらいつも先輩が来るドアの方を見つめる。



「…………」



「なんか言って先輩怒らせたんじゃねえの?」



私や玲奈の倍くらいありそうなお弁当箱から、央太は玉子焼きを掴んで口に入れた。



「央太じゃないんだからさー。萌絵はそんなことしないって」



「う……玲奈さん、最近俺の扱い雑になってません?」



「えー、そんなことないよ。私は萌絵の味方なだけ」


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