イジワルなキミの隣で


それ以降特に車内でも会話はなく、ただ一緒にいても気まずかった。



「あ、ボタン取れかかってるよ」



学ランの袖口のボタンが取れかかっているのを見て、思わず手を伸ばした。



かろうじて繋がってはいるけど、何かの拍子にすぐ取れちゃいそう。



ガタンッ



電車がカーブを曲がったところで、バランスを崩して体がよろめいた。



その瞬間、ブチッと嫌な音と感触が。



まさかと思って手の中を見ると、そこにはさっきまでかろうじて繋がっていたボタンがあった。



「ごご、ごめんっ」


< 32 / 420 >

この作品をシェア

pagetop