イジワルなキミの隣で
「傷付くってわかってたのは私の方です」
光流先輩を想っていた時のことを思い出して、喉の奥から熱いものが込み上げた。
苦しくてどうしようもなかったあの頃。
忘れようとしてもダメで
考えないようにしようとしてもムリで。
「だって智沙先輩がいたから。光流先輩の目には智沙先輩しか写ってなかった」
今だってそうだから。
本音を伝える前に傷付くって決め付けてる智沙先輩はずるいよ。
「先輩達の間に何があったかは知りませんけど、智沙先輩はもう少し光流先輩のことを考えてあげるべきだと思います」
生意気だと思われてもいい。
好きなら気持ちをぶつけるべきだ。
真っ直ぐぶつかるべきだよ。
真っ直ぐに智沙先輩の目を見つめる。
涙が流れそうだったけど、そんなことはどうでも良かった。