シェアハウスのミュージシャン


光栄、私、ひろ

の3人はグランド1周しないといけない。




光栄は、本当に早かった。


バトンが渡った瞬間に響き渡った女子の黄色い声。

その声に光栄の前を走ってる黄色団が驚いていた。




グランド半周をしたところで黄色団と肩を並べた光栄。


この調子だとまだまだ余裕そうだ。


私はチラッと足元を見るとさっきよりも血が出ていて、白い靴は、赤い靴となっていた。



油断したら、顔を歪めていた。





私は深呼吸をした。


光栄はもうすぐにいる。

そして、すぐ後ろには黄色団。

流石、光栄抜かしたんだ…


なんて考えながら、光栄を見ると


光栄の視線は、私の靴へと向けられた…



そして、また私の方を向き…「おい!」

っというように、口をパクパクさして、驚いている。



もう、目の前にいる。


私は光栄から、バトンをもぎ取った。



パッと!走り出した。




…途中何度も止まろうっと思った。


だけど、その度に緑団。クラスの皆の応援の声が聞こえてきて、歯を食いしばりながらも、半周を走り切った。



ザッザッ!っと私より速いリズムで追いつこうとしている黄色団。


あと、半周。


私は、全力で走った。



あと、少し、あと少し。


50m先に待っているひろ。



私はラストスパートをかけようとすると、



ドンッ!!



追いついてきた黄色団に押された。


相手は男子でごっつい体をしていた。



ぐらっと。その瞬間体制を崩してしまって転けそうになりながらも何とか、走ろうとすると、



足の痛みは体制を崩した事により、限界まで達していた。




ヒィヒィヒィヒィ。


息が上がり、心臓が早く動いてる。


そのせいで足元から血が出て行くように、ドクドクっと音を立てている。



私は少し前を走る黄色団に追いついて、ひろにバトンを渡した瞬間。


涙がこぼれてき、すぐにこの場を去らないと行けないのに、立ち上がれない。


周りを見ると皆の目線は、ひろに移されていた。


半周まで、来たところでまたスピードをあげて、黄色団をドンドンと離して行って…そのまま大きく手を上げてゴールした。



すぐに体育委員の支持に従わないといけないのに、ひろは、私の方へ向かってきた。



そんなことより、私は足を抑えて、ヒィヒィヒィヒィ。っと息をするだけだった。


ひろは、私の方まで走ってきて、私の足を見た瞬間、私を持ち上げた、



「ヒィヒィ。下ろ…して。」

ひろ「いいから黙ってろ。」

「ヒィヒィ。」



みんなの視線は、私たちに向けられた。


光栄は、先生に事情を説明していた。




そのまま、私は意識を失った。



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