GIRL Story
警察官が奥の扉を開けて言った。

「入れ。」

下を向いたまま茉莉亜が入ってきた。

見慣れないダサいジーパンとトレーナー姿で化粧もしてない疲れた顔の茉莉亜。

分厚いガラスの向こうに座ったけ茉莉亜。

ガラス越しは今にも茉莉亜に触れそうな位近かった。

でも・・・触れない。


茉莉亜は溢れる涙を抑えながら謝った。

「・・・ごめんなさい。」


優奈も母も泣いた。

(どうして・・・。どうして私は解ってあげられなかったんだろう。)

三人は暫し言葉が出ず、心の中で(どうして・・・。)と言う気持ちだけが広がっていた。
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