精一杯のLOVEをあなたに。。。



あの公園をぬければ駅。


足は限界、息も限界。

それでも走るのをやめたくなかった。


そして更に走る速度をあげたのに…


「きゃっっっ。」


暗闇の中、公園を横切った黒猫に気づくのが遅れた私は、そのまま体制をくずして見事に転倒。


「最悪…」


7センチのヒールが見事にポキンとおれていた。


「だいじょぶ?」


呆然と座りこんでいた私の後ろから男性の声がした。



「あっ、だいじょぶですから…」



あまりにかっこ悪くて親切に声をかけてくれた人の顔もみずに、そう答えた。


でも
たちあがろうとした時、急に手をつかまれて、さっと肩をかしてくれた?


「え…?」



「あのさ、こんな高いヒールで全力疾走なんて無謀もいいとこだろ?」



「と、斗真??どして?」



「とりあえずそこ座って…」


公園のベンチに座らされて、病院の先生みたいに丁寧に私の足首の具合を診てくれた。


「足、痛いのか?」

「ううん」


私は顔を横にふった。


「んじゃ何で泣いてんだよ?」


「だって…
斗真に会えたから」

「バ~カ」


斗真の笑顔。

何だかものすごく久しぶりに見たような気がした…
< 160 / 350 >

この作品をシェア

pagetop