恋の糸がほどける前に

「あはは」

「や、何笑ってんの?」


怪訝そうな顔を向けて訊いてくる水原。


「だって、全部本心なんだ、って思って」


毎朝おはようより先に女の子口説いてるような印象だったけど。

あの誰にでも出てくる「今日も可愛いね」は彼の中ではお世辞っていうわけじゃなかったんだ。


「……やっべ。三浦ちゃん、笑うとさらに可愛い。水原なんてやめて俺にしない?」

「え」

「ちょ、おまえいい加減にしろよ」


慌てたように私とクラスメイトの間に身体ごと割り込んできた水原に、ドキッとする。


「つか、俺ら付き合ってないから。……行くよ、葉純」


「えっ!?あ、うん」


ぐいっと手をひかれるまま、男子の集団から遠ざかって行く。

付き合っていない、って水原は言ったけど、きっと誰も信じていなかった。


手をひかれながらちらっと後ろを振り返った時、すごくニヤニヤしてたもん、みんな。

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