チャラ男とちょうちょ
お客様をお見送りに外に出た時だった。
斜め向かいにzeroのボーイたちが客引きをしているのが見えた。
今日はお店に裕貴がきているのは電話で聞いていた。
そのボーイたちの中で、裕貴は一際目立っていた。


(久々に、動いてる裕貴見た)


毎日電話やメールをしていても、裕貴の顔を見たのはクリスマスイブ以来だ。



「あの、zeroのボーイチャラいらしいですよ!」



一緒にお見送りに出た、樹莉ちゃんがそう言った。

「どの人?」

咄嗟にあたしは聞き返してしまった。

「ほら、あのデカイ人!噂ですけどね〜」

樹莉ちゃんが指をさしたのは、裕貴だった。
その人、あたしの彼氏とはもちろん言えるわけもなく、ふーんと言うとあたしたちはお店に戻った。
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