チャラ男とちょうちょ



「いい加減、真奈美に会いたい」


そう裕貴に言われた。
でも、なかなか休みが合わない。
それでも裕貴は自分の出勤前のほんの数分でもいいから会いたいと言った。
それで、あたしの休みの日の夕方、裕貴と会う約束をした。
今日はその日。

どんな服を着たらいいんだろうなんて考えてるとあっという間に約束の時間が迫ってきた。

「真奈美んち、どこ?」

裕貴から電話。

「今どこら辺?」

「セブンの近く〜」

「そのまま真っ直ぐきて!あたし、マンションの前に立っとくから」

急いで外に出る。

「あー、見えた見えた」

というと、すぐにあたしの前に車が止まった。


「お疲れ♪」

車に乗り込むと裕貴はそう言った。


「デカイマンションだなーって送りの時に思ってたけど、まさか真奈美んちだったとは」

「オーナーが、そこにしろってうるさくて」


なんて普通に話してるつもりだったけど、緊張してドキドキがうるさい。
普段、お客様を目の前にしたってこれっぽっちも緊張しないのに。
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