チャラ男とちょうちょ
バレンタイン
季節はあっという間に駆け抜ける。
仕事と、撮影に追われてるうちにバレンタインの時期になった。

毎年お店では、バレンタインのイベント中に来てくれたお客様にはチョコを用意していて、それを配っている。
あたしは、前もって来てくれると連絡をくれている常連さん何人かに、お店が用意したものとは別にチョコを選びに近所のデパートに出かけた。

甘いチョコの香りが漂うそのフロアは平日なのに、そこそこ賑わっている。
あたしは一通り目を通して、お客様にあげるチョコを決めた。


(会えるかわかんないけど、いっか)


裕貴のことを考えて、あたしはチョコを買った。
好きな人にチョコをあげるなんて久々。
お客様のはすぐに決まったのに、裕貴のは悩みに悩んだ。
結局、ミルクとホワイトとストロベリーの3種類がそれぞれハート型に固められて、数枚ずつ入っているものにした。

それから、店長と他のボーイたちのを買って、家に帰った。
< 22 / 147 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop