黒愛−kuroai−
わざとこっちに聞こえるように、声高に話す彼女達。
何がウフフだ、気持ち悪い。
鈴奈の現在進行形の相手は御曹司?
柊也先輩と別れて良かった?
随分ムカツクこと言ってくれるね…
まだ半分残っているカルボナーラの皿と、柊也先輩の空になった皿を交換した。
「食べないの?」
「もうお腹一杯なので、先輩にあげます。
私は…元カノさんに一言挨拶してきます」
「え? 愛美!待っ…」
鈴奈達は優雅にケーキと紅茶を楽しんでいた。
500円だからと喜ぶ庶民と違い、聖心女学院のお嬢様は、1000円のケーキセットを平気で付ける。
それもムカツク。
私を止めようとする彼の手をかわし、素早く鈴奈の横に立つ。
「鈴奈さん、お久しぶりです!
由梨の友達の愛美です。覚えていますか?」