黒愛−kuroai−
「とっても美味しい!」
と喜ぶ私に、
彼は「ああ…」と一言。
味が分かっているのか怪しい。
早く胃袋に納めて帰りたい…
そんな声が聴こえて来そうだ。
急いで食べる彼と逆に、私はゆっくりパスタをフォークに巻き付ける。
美味しいパスタを、しっかり味わいたい。
ぴりぴりギスギスした雰囲気も、ゆっくり味わいたい。
鈴奈と友人2人は、パスタを食べ終え、デザートメニューを開く。
ケーキを選びながら、こんな会話が聞こえて来た。
「鈴奈、あの人とどうなってる?」
「どうって…別に何もないよ…」
「嘘うそ!この前、デートに誘われていたよね?
あの人、イイと思うな〜
〇〇財閥の御曹司!
そんな人に好かれる鈴奈って、スゴイよね〜」
「うんうん、やっぱり男は将来性が大事。
顔だけ良くても駄目。
偽造写真を信じるバカ男は、鈴奈と釣り合わない!
御曹司いいな〜ウフフ」