黒愛−kuroai−
「好きです…
柊也先輩が好きです…」
彼は少しだけ驚く。
今言われると思わなかったからだろう。
私の気持ちはバレバレだ。
毎日テニスコートに通い、アピールし続けて来たのだから。
驚いた後、彼は困った顔をした。
言われたのは予想していなかった言葉…
「俺…彼女いるんだ…ごめん…」
「………」
「最近反省してた。
思わせ振りな態度を取ってんじゃないかって…
彼女がいること、もっと早く言えば良かったな…
期待させてごめん…」
すごくショックだった。
“彼女”と言う言葉が心臓に突き刺さる。
“素敵な彼には彼女がいて当たり前”
そんな一般的な考えは私の頭にない。
だって…
彼の運命の相手は私だから。
赤い糸が見えているから。
私達の間に割り込んで来た
“彼女”…
その女…
どうにかしないと
イケナイネ…