黒愛−kuroai−
みんな驚いていた。
特に私の所属する女子グループは、びっくりし過ぎて固まっていた。
うちらの中に、そのダサ子を入れるの?マジで?
そんな視線が向けられていた。
でも誰も私に意見しない。
怒らせると恐いのは、仲間内で有名だからね。
朝のホームルーム開始の鐘を待ち、鳴り終わると大声で言った。
『仲間外れなんて良くない、可哀相だよ!
中学生最後の一年、みんなで楽しく行こうよ!』
ちょうどそこに、クラス担任が入って来た。
先生は嬉しそうな顔して、私に温かい目を向けていた。
賢王第一高校に推薦入学を希望していた私。
推薦枠1名に対し、あの時点で希望者は3人もいた。
だから由梨を利用させて貰ったの。
『ダサ子をグループに引き入れ面倒を見る。
優しくリーダーシップを取れる女の子』
私の内申書には、多分そんな言葉が書かれていたんじゃないかな…