黒愛−kuroai−
心の中でニヤリと笑い、由梨に携帯電話を返した。
帰り道、二人の家路の分岐点で、由梨は何度も私に聞く。
「愛美ちゃん、また会える?
私ね、愛美ちゃんのこと大好きだから、ずっと友達でいたい」
由梨の中の私は、女神的な存在。
危うくイジメの対象になりそうだった自分を救ってくれた救世主。
大好きだろうね。
輝いて見えるだろうね。
本当はあんたなんて、どうでもいい存在なのに。
純粋に慕う由梨の両手をギュッと握った。
「私も由梨が大好きだよ!
ずっとずっと友達、また会おうね、連絡するから」
「うん!」
由梨と友達で良かった。
今初めてそう思えた。
“彼女”と後ろ姿が似ているこの子、
すごく使えそうな気がするヨ…