黒愛−kuroai−
 


柊也先輩が私を膝の上に乗せる。

両足を跨いで座り、向かい合う。

彼の手が腰に回され、引き寄せられた。



耳元に艶のある声が響く。



「今日は、愛美からキスが欲しい…」



ドキドキしながら唇を近付けた。

軽く触れ、それからゆっくりと深めて行く。


キスの甘さに酔いしれ、上気した顔で唇を離した時、

彼は意地悪を言った。



「マ・ナ・ミ・ちゃん?
随分キスが上手になったね。
どこで覚えて来たの?」



不貞を疑われている訳じやない。

ニヤニヤして、彼はとても楽しそう。



「もうっ! 全部、柊也先輩が教えてくれたのに!

分かってるくせに、意地悪言って…」



頬っぺたを膨らませて見せると、彼は声を上げて笑う。



私の頬を愛しそうに撫でる指先、

その手が黒髪を滑り、背中を下降する。

ブラウスの裾から侵入し、背中の素肌を撫で始めた。



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