逢いたい~桜に還る想い~
「ずっと、いろんなことをごまかして、自分の気持ちから逃げてたから………」
静かに響く郁生くんの声に、心の奥が震える。
「想いを伝えて、はっきりと覚悟が出来た。
トーコさんのことが好きだ。
好きだから……だから、もう側にいられない。
二人きりでいられるのは、───こうして触れあうのは、最後……」
「郁生…くん……」
迷いのない瞳で語る彼。
さっき体育館の自販機の前で同じ話をした時は、あたしから目を逸らしていたのに……。
今度は、あたしの中に……視線が……言葉が、
真っ直ぐと突き刺さってくる。
「さっきの……冗談じゃないよ」
ふ…と、淡く微笑んだ彼の指先が、あたしの前髪からおくれ毛に触れ、
唇に触れ、
その手が背中に回ると、そっとあたしを抱き寄せた。
「トーコさんといると、触れたくなる。
抱きしめたくなる。キスしたくなる。
今だって……
───でも、それは……“叔母”と“甥”に、赦される距離じゃないよね……」