逢いたい~桜に還る想い~
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息が上がるくらい夢中で唇を重ねて───郁生くんが、ぎゅっときつくあたしを抱き寄せた。
「……あたし…も…」
「ん……?」
「…好き……大好き……」
強まる腕に、その鼓動に、香りに、優しく包まれ、あたしは言い様のない想いを強く感じていた。
───もう、絶対離したくない。
この人を、誰にもあげない。
たった一人の、愛しい人………
「トーコさん、好きだ……誰にも渡さない……」
あたしの心に共鳴したように、そんな言葉が落ちてきたから、───あたしは思わず顔をあげた。
郁生くんと瞳を合わせて、
「同じこと、考えてた……」
小さく微笑むと、
そんなあたしの唇にもう一度キスをくれた郁生くんは、額をくっつけて言った。