きみに出会う10秒前。
「夏樹くんですよね?」
「え、おまえ…「黙れ翔平」
なんか言いかけた夏樹くんの友達の言葉を不機嫌な表情で遮った。
どうしたんだろう……
「そういえば名前聞いてなかったよね。名前なんていうの?」
「雛森凜子です」
名前……聞かれた…
これって進展したよね?
「可愛い名前だね、凜子ちゃん」
そんな王子様スマイルで名前呼ばれるなんて…
胸の鼓動が………
「あ、あ、あの!!」
「ん?」
これは聞いてもいいんだろうか……
でも、せっかくのチャンスだもん!
「………連絡先を教えて欲しいです」
「いいよ」