脱・不幸恋愛体質

――蓮の笑顔だった。


パラソルを立てながら、見た事が無いような笑顔をお客さんに向けて居たのだ。


な……なによ、アイツ。


そんな顔出来るんじゃない。



―――ドキドキ


って、何よこのドキドキって!!!

全く興味無いんだから、あんな性格悪すぎの悪ガキなんか。

でも、そんな蓮の笑顔から目を離せないでいる自分が居た。


「…いり、あいり!!!ちょっと、イカヤバいよ!!!」


「ひゃあ!!!」

目の前には、無惨にも真っ黒く焦げたイカ焼きが一つ、悲しそうに転がっていた。


「あ~~あ、また怒られるよ」


そんな言葉と共に、横からヌッと顔を覗かせた彩乃。


「う…うん」


「愛莉?あい……あぁ―!!もしかして、そういう事?!」


私の視線の先に居る人物を見た彩乃は、素っ頓狂な声をあげながら奴を見ていた。


「はぁ?!何がそういう事なのよ?」


慌てて否定する私に


「蓮かぁ…」


と、考えている様子。

って言うか、蓮を好きだなんて一言も言っていないんですけど……

丸焦げのイカ焼きをトングで掴むと、ニヤニヤしている彩乃に


「あんな奴を好きになる訳無いでしょ?」


そう捨て台詞を吐き、イカ焼きをゴミ箱に捨てに行った。

本当、勘違いにも程があるわよ。

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