脱・不幸恋愛体質

「なんで?」

「どうしてもだよ。行くぞ」

蓮は自転車を出すと、ゆっくり歩き出した。

気になる……
でも、これ以上聞ける雰囲気ではなかった。

私も急いで蓮を追いかけ、横に並ぶ。
なんか少しだけ、蓮と仲良くなれたのにこんな話題出すんじゃなかったと大後悔。

それにしても、そこまで翔君を辞めとけと言う理由が気になるよね。

明日にても、翔君に聞いてみようかな。


そんな事を考えて居るうちに、私の家に到着。


「いつもありがとう」

そう言う私に、相変わらずの態度。

「別に」

「蓮さ、なんでいつも送ってくれるの?」

今日もまた、自転車を180度方向転換している蓮に聞いてみた。


「は?通り道だからだよ。別に送ってないし。勘違いすんな」


「中学違ったじゃん」


そう、この辺の地区の人はみんな同じ中学に通って居るはずだもん。

中学時代に蓮を知らないって事は、違う地区に住んでいるはず。


「うっせ――な、早く寝とけ。明日遅刻すんなよ」


蓮はそう言うと、自転車を走らせて行ってしまった。

もうっ!!!逃げたな。

またお礼が言えなかったじゃん。

私は玄関の横に自転車を停めると、家に入って行った。

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