ハッピーバースデイ
それから思い出す。
「あの、男紹介っていうの…」
「しないに決まってんじゃん。俺次は銀司に殺される」
命がいくつあっても足りないらしい。
ちーちゃんが昇降口からこちらに歩いてくるのが見えた。
「あのさ、絶対に葵ちゃんは思ってないと思うけど。一応言っとく」
「ん?」
「俺が葵ちゃんに色々協力したのは、智子が葵ちゃんのことで悲しんだりするのを見るのが嫌なだけで、他意はないから」
「分かってるよ。ありがとう」
そんなことあっても困るし、私は佐月君を嫌いになってしまうだろう。