[B L]だからスキって言ったのに〒続編
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もっと、頑張らなきゃ。
もっと。
天野にもう一度、振り向いてもらうために。
勉強を沢山して、弓道もいっぱい練習して…
今までにないくらいがんばって、がんばってがんばってがんばってがんばって…
そして迎えた、弓道の大会。
『────…では、次』
俺は弓を構え、まっすぐに的を見つめる。
弓に気持ちが出やすいと、前に先輩に注意された。
それなら、今の俺は?
天野に振り向いてもらうため、こんなに努力したんだ。
大丈夫。
天野は振り向いてくれる。
…そう思うと、心が落ち着いてくる。
スッと目を開け、引いていた弓の手を離した。
スパンッ
『おお─────────…』
スパンッ
スパンッ
スパンッ
スパンッ
スパンッ
天野、お前に振り向いてもらうために、俺はこんなにがんばったよ。
夏休みの間、天野のことだけを考えて。
天野のためだけにすごして。
学校が始まれば、天野も嫌でも俺と顔を合わせるだろ?
だから、その時。
その時まで、もっと自分を磨くから。
それまで、待ってて。
…その日、俺は大会で優勝した。
そして先輩が引退し、夏休みが終わる──…
天野は、どんな顔をして俺を見るんだろう。